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スクープ)「本件につき、問題がなかったなどと考えているわけではございません」/ジャニーズ事務所社長が初めて問題認める

「問題がなかったなどと考えているわけではございません」/ジャニーズ事務所 藤島ジュリー社長が関係者に釈明コメント/所属タレントへの調査、外部相談窓口の設置も打ち出す

Arc Times 編集長 尾形聡彦/ Toshihiko Ogata, Editor in Chief, Arc Times

Published at 19:40 JST on April /21st/ 2023.  Updated at 0:15 JST on April / 22nd / 2023.

ジャニーズ事務所のジャニー喜多川氏の性暴力問題で、同事務所の藤島ジュリーK. 社長が、音楽関連会社などの関係者あてに、「私たちは本件につき、問題がなかったと考えているわけではございません」と釈明するコメントを出したことが21日、わかった。関係者がArc Timesの取材に明らかにした。コメントでは、実態解明のため、すでに所属タレントへのヒアリングも実施していることを明らかにし、今後、外部の専門家による相談窓口を設置することも打ち出した。元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏が4月12日に日本外国特派員協会(FCCJ)で会見し、昨日20日にはArc Timesに出演して、ジャニー喜多川氏による性暴力を訴え、事務所に実態解明などの対処を求めるなかで、同事務所も問題に向き合わざるを得なくなった形だ。

 

藤島社長はコメントで、「はじめに、皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしておりますことを、心よりお詫び申し上げます」と陳謝。その上で、「当事者であるジャニー喜多川がすでに故人であることに起因して、全ての事実を確認することが難しい状況である点につきましては、何卒ご理解賜れれば」とし、実態把握の難しさを強調した。

その上で、「一方、私たちは本件につき、問題がなかったなどと考えているわけではございません」と、この性暴力問題に向き合う姿勢を初めて示した。

ジャニーズ事務所はこれまで、今年3月に英公共放送BBCがジャニー喜多川氏の性暴力をめぐるドキュメンタリーを報道したり、4月12日にカウアン・オカモト氏がFCCJで会見して同氏の性暴力を訴えたりした際には、事務所として「今年1月に発表しているが、コンプライアンスの遵守や、ガバナンスの強化に全社一丸で取り組む」などの趣旨のコメントを主要メディアに出しただけだった。未来に向けた取り組みを強調する一方で、過去に向き合う姿勢は示していなかった。

21日に明らかになった藤島社長のコメントでは、「問題がなかったなどと考えているわけではございません」として、問題があったことを事務所として初めて認めた。さらに、これまでに、社員及び所属タレントに対して相談窓口をもうけてきたほか、「ヒアリング及び面談を実施してまいりました」と、事務所内で調査を行っていたことを明らかにした。同事務所が、調査が行っていたことを公表するのは初めてとみられる。さらに、4月12日のカウアン氏の会見後にも、「あらためて同様のヒアリングを行いました」と明かした。

事務所内での調査では「現時点では問題となる点は確認されていない」と説明。一方で、「あくまで社内のヒアリングになりますので十分であるとは考えておりません」とし、今後のさらなる調査の可能性に含みをもたせた。

さらに、「弊社から独立した立場で行える外部専門家の相談窓口の設置、個別対応を行う準備を進めている」とし、一連の性暴力問題に直接的に対応する仕組みを設ける考えであることを初めて打ち出した。

ジャニーズ事務所は21日午後6時すぎ、藤島社長コメントの確認を求めたArc Timesの取材に、「私のところではお答えできない。担当者が外に出ており、詳細はわからない」と回答。同事務所の担当者からは21日午後7時半の時点で、連絡は来ていない。

ジャニーズ事務所の今回の対応は、問題に向き合ってこなかったこれまでと比べると、事務所として一歩踏み出した形で、大きな動きといえる。ただ、Arc Timesが、藤島社長のコメントを入手し、報じた21日午後7時半の段階で、大手メディアはこのコメントの存在を報じていない。テレビや大手新聞はこれまで、ジャニー喜多川氏の性暴力問題についてのカウアン氏の告発会見について、ほぼ黙殺するか、最低限の報道にとどめている。主要メディアが報道を控えている間に、ジャニーズ事務所側が改善策を打ち出し始めた形で、後手後手の大手メディアの姿勢は今後さらに問われることになる。

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