カウアン・オカモト氏がジャニーズ事務所と話し合い/近く対応策を発表へ
尾形聡彦 Arc Times 編集長/ Toshihiko Ogata, Editor-in-Chief, Arc Times
Published 1:30 on 2023/5/6 JST
元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏は5日、ユーチューブの「たかまつななチャンネル」に出演し、自らが告発しているジャニー喜多川氏の性暴力をめぐり、ジャニーズ事務所側と話し合いに入っていることを明らかにした。ジャニーズ事務所が今回、故ジャニー喜多川氏の性加害問題についての一連の報道に対応し、被害者側と話し合いを行うのは初めてだ。カウアン氏は、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長と面会したことも明らかにし、「(会う前には)こわもてのイメージだったが、(実際に会うと)可愛らしい感じだった。タレントや被害者への思いをすごく感じた」と語った。両者は近く、対応策を発表する見通しだという。この問題で後手後手の対応を続けてきたジャニーズ事務所が一転して、事務所のトップ自らが事態の収拾に乗り出した形で、局面が大きく動きつつある。ジャニーズ事務所が動き始めた一方で、依然としてほぼ黙殺を続けている大手テレビ局や大手新聞、電通などの広告代理店、日本の主要企業で構成されるスポンサー企業などの対応の異常さがさらに際立っている。
カウアン氏は5日の出演で、「(藤島社長と)お話しさせていただいた。今後の(事務所による)発表、僕も見ますし、僕もSNSで発表すると思う」と明かした。
藤島社長の印象について、カウアン氏は「僕は(これまで)会ったことはなく、出てる写真とかで、(事前に持っていた)イメージは結構こわもてだった」と説明したうえで、「(実際に会うと)可愛らしい感じで、(所属)タレントへの思いや、(ジャニー喜多川氏による性暴力の)被害にあわれた方たちへの思いもすごく感じた」と語った。
また、カウアン氏は、藤島社長が、叔父にあたるジャニー喜多川氏による性暴力について知っていたのかどうかについて、「どっちかっていうと、多分ショックとかいろんなことがあるんじゃないか。自分のおじさんですし」と言及。たかまつななさんから「(ジャニー喜多川氏の性暴力を)知らなかった面もあったということか」と問われると、カウアン氏は「まあ、それは(藤島氏は)その場にはいないですからね。本人じゃないですから」と答え、藤島氏が事態の詳細を知らなかったとの印象を示唆した。
カウアン氏はそのうえで、今後、ジャニーズ事務所とカウアン氏がそれぞれ発表を行うとの見通しを語った。カウアン氏は「(被害者が)声を上げやすくするのは大事なこと。その面でどう動いていくのか、すごい見たい」と述べ、ジャニーズ事務所が性暴行の被害者がそれぞれの被害を申告しやすくしたり、被害者のケアをしたりする環境整備をすることが重要だとの認識を示した。
カウアン・オカモト氏は今春、ジャニー喜多川氏の性暴力問題でキャンペーン報道を続けている週刊文春の取材に答えたあと、4月12日には日本外国特派員協会(FCCJ)で記者会見を行い、ジャニー喜多川氏の性暴行を告発した。カウアン氏は4月20日にArc Timesに出演し、中学3年生だった2012年3月にジャニー喜多川氏に性暴力を初めて受けた際に、「信じられなかった。現実感がなかった」と当時の苦しい心情を吐露。ジャニーズ事務所に対し、「自分で問題に向き合って、問題を認めて欲しい」と訴えていた。
これに対し、ジャニーズ事務所は4月24日、音楽関連事務所やテレビ局などの一部の関係者に向けて、藤島社長名のコメントを出し、「問題がなかったなどと考えているわけではございません」と初めて問題を認める姿勢を示していた。このコメントでは、事務所内で性被害についてヒアリングを行ったことを明かし、外部相談窓口を設置する考えも打ち出していた。このコメントの存在については、Arc Timesが24日夜にスクープし、その後、東京新聞や朝日新聞などが報じた。TBSは同日夜に報じ、NHKは翌25日に報道した。ただ、主要メディアはその後も最低限の報道にとどめている。ジャニーズ事務所はこの声明を関係者に送っただけで、公式には認めておらず、Arc Timesの問い合わせにも回答していないままだ。
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