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ジャニーズに対し米ネバダ州で465億円の巨額賠償訴訟/飯田恭平氏、田中純弥氏が提訴

ジャニー喜多川の性加害問題で、元Kis-My-Ft2飯田恭平さんと、元関西ジャニーズJr.  の田中純弥さんが米国時間の12月18日(日本時間19日)、米ネバダ州の裁判所に、総額3億ドル(日本円で約465億円=1ドルを155円で計算)の賠償訴訟を起こした。ジャニー喜多川の性加害問題で、海外で訴訟が起こされるのは初めて。飯田氏と田中氏は、懲罰的賠償を含めてそれぞれ1億5千万ドル(約230億円)の賠償を求めており、世界的に類を見ないジャニー喜多川の性加害問題の責任が米国の法廷の場で本格的に問われることになる。

complaint on Dec 18th 2024 by Mr. Tanaka against Johnny and Associates
complaint on Dec 18th 2024 by Mr. Tanaka against Johnny and Associates

尾形聡彦 Arc Times 編集長 / Toshihiko Ogata, Editor-in-Chief, Arc Times

Published at 11:45 on 2024/12/19 JST. Last updated at 15:05 on 2024/12/19 JST.

賠償訴訟は12月18日付で、米ネバダ州でラスベガスなどを管轄するクラーク郡の同州裁判所に提起された。

飯田さんの訴状によると、ジャニー喜多川は2002年8月16日、飯田さんらジャニーズJr.を、ネバダ州ラスベガスに連れて行き、ミラージュホテル(現MGMグランド)に3泊した。71歳だったジャニー喜多川は大きな部屋を滞在し、ジャニーズJr.たちは同じ階にある複数の3人部屋に宿泊。当時14歳だった飯田さんは3泊とも、ジャニー喜多川の部屋で寝るように命じられ、いずれの日も性加害を受けていた。飯田さんはジャニーズ事務所に所属していた2002年から2006年まで、日本で繰り返し、ジャニー喜多川から性加害を受けていたという。

田中さんの訴状によると、ジャニー喜多川は1997年3月、田中さんや他のジャニーズJr.たちをラスベガス旅行に連れて行った。このとき、田中さんは15歳で、ジャニー喜多川は67歳だった。宿泊したのはミラージュホテルで、ホテルへの滞在は3泊だった。ジャニー喜多川はいずれの夜も田中さんに性加害を行ったという。田中さんは1997年から1998年の間、ジャニー喜多川から繰り返し性暴行を受けていた。

Johnny & Associates
Johnny & Associates

飯田さんと田中さんはそれぞれ、ジャニー喜多川からの性加害に伴う、過去だけでなく今後の未来にわたる医療費や遺失利益、精神的なストレス、痛みや苦悩、人生の喜びを失った直接的な損害が「5000万ドルを下回ることはない」と指摘。さらに、懲罰的な賠償についても、それぞれ、「1億ドルを下回ることはない」とした。それぞれが、合わせて、少なくとも1億5千万円ドルの賠償を求めており、2人で少なくとも計3億ドル(約465億)の賠償請求を行った。

米国の裁判では、社会的に強い非難に値する加害者の行為について、再発防止の観点から、「懲罰的賠償」を命じることが認められている。日本にはない制度だ。2014年には、たばこ大手のR・J レイノルズ・タバコが、フロリダ州の陪審から、236億ドル(約3兆6600億円)の懲罰的賠償を命じられたことがある(その後、今年になって懲罰的賠償額は1690万ドル<約26億円>に減額された)。

ジャニー喜多川の性加害をめぐっては、スマイルアップ社が設けた被害者救済委員会への申告は12月13日時点で1008人に上り、同社はすでに500人余りに支払いを行なっている。1000人を超える申告者は、性加害の異常さと悪質性と規模の大きさを如実に表しており、世界的に見ても、近代で最も大きな組織的な性加害問題の一つだ。

複数の関係者によると、スマイルアップによる1人あたりの補償額は1000万円前後だという。単純計算すれば、スマイルアップ社による補償額はこれまで50億円程度にとどまっていることになる。一方で、ジャニー喜多川の遺産は1000億円を超えるとの報道もあり、補償額の少なさが問題になっていた。

今回の米ネバダ州での飯田さんと田中さんの訴訟は、賠償請求額が日本円で465億円に上るだけに、旧ジャニーズ事務所や、現在のスマイルアップ社と、STARTO ENTERTAINMENT 社の責任が初めて本格的に問われる可能性がある。

今回の訴訟では、被告として、ジャニーズ事務所、ジャニー喜多川の遺産、ジャニーズ事務所の後継会社としてのスマイルアップ社とSTARTO ENTERTAINMENT社、藤島メリー氏の遺産、藤島ジュリー景子氏。ジャニーズ事務所の取締役だったキクエ・イズ氏、マサミ・ヤザキ氏、白波瀬傑氏、ジャニー喜多川氏の弁護士だったツグオ・ヤダ氏が挙げられている。また、ラスベガスでの性加害の舞台になったMGMグランドも被告になっている。ジャニー喜多川だけでなく、その性加害に加担していたとして、多くの関係者の責任を問う内容だ。

スマイルアップ社らに対して、Arc Timesは19日午前、訴訟についてのコメントを求めているが、同日午後3時すぎの時点で、コメントは得られていない。

Arc Timesでは12月19日午前7時すぎに、ネバダ州での今回の提訴の概要を、超速報として解説。

https://youtube.com/live/UqmeNNPlqwk

メンバー限定の動画では、賠償訴訟の具体的な内容を詳しく読み解いた。

https://youtube.com/live/ZccEAmVD1wI

 

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