石破茂首相は7日、首相官邸で開いた記者会見で「自民党総裁の職を辞することとした」と語り、辞意を表明した。自民党内で、石破おろしの動きが、裏金議員や派閥議員らの間で強まり、7月に「首相が退陣の意向を固めた」との誤報を出した読売新聞や毎日新聞らも首相を退陣させようとする報道を強めるなかで、辞任を余儀なくされる異例の経過をたどった。石破首相は6日夜、周辺に対し、30%台後半から40%台前半に回復していた世論にもはや頼れない心境を明かしており、同日夜に辞意を固めていたものとみられる。自民党は今後、9月末に向けて、総裁選を実施する手続きに入る。ただ、自民党は「少数与党」であるだけに、新総裁を選んでも国会でそのまま首相に就任できるわけではなく、野党との連携を模索しながら、新リーダーを選ぶ複雑のプロセスをたどることになる。
尾形聡彦 Arc Times 編集長 / Toshihiko Ogata, Editor-in-Chief, Arc Times
Published at 23:20 pm on September 7th, 2025
石破首相は7日の会見で、「後進に道を譲りたい」と表明し、新たな総裁選には立候補しない考えを明らかにした。新たな総裁選では、小泉進次郎氏、高市早苗氏、林芳正氏、小林鷹之氏らの立候補が取りざたされている。
石破首相をめぐっては、最近の世論調査で、日経新聞では42%、読売新聞で39%、8月のNHKの調査では38%まで支持率が回復していた。しかし、石破首相は6日深夜、周辺に対し、「(自民党内の石破おろしと、世論の支持とが)いまは乖離していても、手のひら返しはありうる」として、世論調査の結果には頼れないとの認識を示し、心境の変化を示唆していた。石破氏は6日、菅義偉・元首相や小泉進次郎・農相から自発的な辞任に向けた説得を受けたとみられ、それまでの続投方針から、辞任へと転換したとみられる。
石破首相は7日の会見で、菅元首相から前日に「党の亀裂は避けるべきだ」と言われたことを明かした。
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